「ジパンニキタケド、イイキトクドージョウガナイデース...」
「あんた、なかなか良いもの持ってるじゃないか...」
「アナタハダレデスカ~?」
「ワタシは宇良見たまゑよ!ひょっとして呪術を勉強しに来たのかい?」
「サヨーデゴザルデアール!ウラジミールサンハシハンノカタデースカー?」
「そうよ!ワタシは野球呪術師の先任者よ!あなたの得意分野はなんだい?」
「セッシャハブラックマジックガトクイデース!ジパンノマジックマナビタイデース!」
「それなら話は早いわ。あんた、うちの流派に入りな!弟子入りさせたるよ!」
「ホントデスカ?アリガトゴザイマース!」
「ただし改名しな!しないと地獄に落ちるよ!」
「Oh! Go to hell!? イキタクナイデース!改名シマース!」
「あんたは、弥介*1よ!宇良見弥介と名乗りな!」
「ウ、ウラジミール ヤスケ?OK!ワタシハヤスケデース!ヨロシク、ウラジミールサン!」
こうして野球呪術師、ウラジミール・弥介は誕生したのであった。
ウラジミール 弥介 (うらじみーる やすけ)
カリブ海に浮かぶ小さな島から来日してきた巨漢の男。
幼少期から黒魔術の勉強をしていた。
19歳のころに日本の呪術の存在を知り、来日を決意する。
なんとか日本に入国できたものの、呪術自体が廃れており、路頭に迷うことになった。
そこで出会ったのが野球呪術師を生業とするクソババアこと宇良見たまゑ*2である。
弟子入りする代わりに改名料をぶんだくられ、見事無一文となってしまう。
2年間の修行の後に免許皆伝。会得した術(技)は以下の通りである。
祈祷
雨乞いの儀式。成功率100%。
ゴルフ打ち
ゴルフのスイングの如く打つことによって、砂埃を発生させる。
キャッチャーの視野を狭め、パスボールする確率を高める。
脳天クラッシュ
フルスイングした拍子にキャッチャーの脳天にバットをお見舞いする技。
非常に危険な技である。
バファロー走法
猛牛の如く暴走する走り方。
華麗な走塁技術で野手に恐怖心を与える。
バファロースライディング(奥義)
猛牛の如く突進するスライディング。
宇良見流呪術の奥義であるが、伝授方法が過酷なものである。
師匠がバットを持って弟子に殴りかかろうとした瞬間に、伝受者(弥介)が極限状態の中でこの技を繰り出すことにより、この奥義の伝授が完了される。*3
そしてこの奥義を食らった師匠は、奥義の伝授完了と同時に死亡することになる。
しかしこのクソババアは、師匠役を事情の知らない竹蔵さんに行わせ、無事奥義の伝授を完了させた。享年88歳。彼の墓は霊山墓地に建てられた。
免許皆伝後は、宇良見さんと一緒に仕事を行っているようだ。
彼が弟子入りする前まではエースピッチャーにケガを負わせる依頼が多かったが、現在はバッテリー諸とも負傷させる依頼が急増した。
もちろん依頼料はピッチャー単体の3倍のお値段だが、それでも大好評のためこのクソババアの懐はウハウハである。
しかし、弥介に入ってくるお金はコンビニバイトの1/2に満たない。
弥介はそれでも満足しているそうだ。
さあ、弥介の明日はどっちだ!?
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